鎌倉のハイキングコースは標高は高い場所でも150m程度ですが、場所によっては滑りやすい岩場などもあります。トレッキングシューズなど歩きやすい服装でお出かけください。
通称「鎌倉アルプス」と呼ばれる、鎌倉の北側の尾根道を歩く、鎌倉最長のハイキングコース。建長寺から瑞泉寺までのコースの途中には、十王岩の展望(かながわの景勝50選)などの絶景スポットや、鎌倉市内で最高峰の大平山(標高159.2m)もあり、本格的なハイキングが楽しめます。→イラストマップ
東京・横浜方面から横須賀線に乗ってくると、鎌倉駅の一つ手前が北鎌倉駅。北鎌倉エリアは禅寺が多く、長閑(のどか) な雰囲気が残っています。
天園ハイキングコースは、この北鎌倉駅から歩きはじめます!
駅のすぐそばには、円覚寺というお寺があります。
円覚寺は「鎌倉五山」という禅宗(臨済宗)の寺院を格付けする制度で、第二位に位置づけられている大きなお寺です。
境内には「禅宗様」という様式で建てられた美しい建物が建ち並んでいます。また、円覚寺は桜と紅葉の名所でもあります。桜や紅葉の時期には、ぜひ立ち寄りたいお寺です。
円覚寺を出たら、鎌倉方面に向かって横須賀線の線路沿いを歩いて行きましょう。
途中、小さな橋を渡った先で左に道が分かれます。この道の先には、梅雨時のアジサイが美しいことで知られる明月院があります。
分かれ道の少し先の踏切のところで県道と合流します。ちょっと分かりづらいですが、この県道との合流地点にあるお蕎麦屋さんの店先に、陰陽師の安倍晴明をまつった石碑があります。
このまま県道を10分ほど進むと、建長寺に到着します。
天園ハイキングコースの登山口は、建長寺境内になりますので、拝観料を払って境内に入ります。
建長寺は、「鎌倉五山」第一位。建長5(1253)年に、我が国初の禅の専門道場として創建されました。
江戸時代に東京芝の増上寺から移築したという仏殿内には本尊の地蔵菩薩像がまつられています。
建長寺の裏山の中腹には建長寺の鎮守である「半僧坊(はんそうぼう)」がまつられており、さらに石段を登っていくと「勝上けん(しょうじょうけん)展望台」という大変見晴らしのいい場所があります。この展望台からは、建長寺の大きな山門、仏殿、法堂(はっとう)といった建物が小さく見えます。
この展望台の裏手を天園ハイキングコースが通っています。建長寺を背に、左に行くと明月院の裏手の明月谷、右に行くと天園休憩所などを経由して瑞泉寺までハイキングコースが続いています。
瑞泉寺を目指して歩いて行きましょう!
「勝上けん展望台」から、瑞泉寺方面へ5分ほど歩くと、左手に「かながわの景勝50選 鎌倉十王岩の展望」と刻まれた石碑が置かれている場所があります。
「鎌倉十王岩の展望」は、「かながわの景勝50選」に選ばれている素晴らしいビューポイント。岩の上に登ると、この場所が鶴岡八幡宮のちょうど真裏に位置するため、鶴岡八幡宮から海まで続く若宮大路がはっきり見えます。また、後を振り返ると、横浜方面の風景も見ることができます。
「鎌倉十王岩の展望」を過ぎると、途中に、「百八やぐら」や覚園寺(かくおんじ)方面への道の分岐があります。天園ハイキングコースには、このような支道がたくさんあります。
そして、十王岩から約30分程歩くと、ぱっと視界が開ける場所に出ます。ここが標高159.2メートルの「大平山(おおひらやま)」山頂です。大平山山頂は鎌倉市内で最も標高が高い場所になります。
大平山山頂を越えて程なく、天園(てんえん)に到着します。天園は別名、「六国峠」ともいいます。武蔵、相模、上総、下総、伊豆、駿河が望めたことからその名がつきました。
峠から少し下った場所には「天園休憩所」があり、飲み物のほか、焼きおにぎりやおでんなど軽食も売られています。
天園の先で、ハイキングコースは瑞泉寺(ずいせんじ)に向かう道と、紅葉の名所・獅子舞の谷を経て鎌倉宮に下る道、さらに横浜市金沢区の円海山方面へのハイキングコースが分かれています。
メインルートである瑞泉寺までは、ゆっくり歩いて40分くらい。所々、眺めの良い場所もありますが、基本的には、雑木林の中を淡々と歩く感じです。
瑞泉寺への道の途中、鎌倉幕府滅亡時に、敗走する幕府軍を法螺貝(ほらがい)を吹きながら、山へと導いたという伝説の地蔵「貝吹地蔵」がまつられています。
徒歩区間の距離 | 約6.0km(北鎌倉駅~建長寺~天園~瑞泉寺~大塔宮バス停) |
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コース所要時間 | 2時間半~3時間 |
注意点など |
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