「かながわの景勝50選」に選出されている「光明寺裏山からの展望」。高さ20メートルという光明寺の大きな山門の向こうには、相模湾に突きだした稲村ヶ崎、江の島や富士山までをも一望することができます。
「鎌倉市子ども自然ふれあいの森」の小高い岡の上に設置されている「パノラマ台」という小さな展望台は、周囲をさえぎるものがなく、その名の通り、360度の大パノラマが楽しめます。西側には海と山に囲まれた鎌倉の市街地、南には逗子の海と街並みが見渡せます。
逗子市の披露山(ひろやま)公園にある展望台からの眺めはイチオシです。手前には高級住宅地の代名詞である披露山庭園住宅、その向こうには逗子マリーナや小坪の漁港、江の島、富士山などを一望できます。公園内では、ニホンザルや水鳥などの小動物が飼育されています。
天園ハイキングコース内にある「十王岩の展望」は、ちょうど鶴岡八幡宮の真北に位置する山中にあるため、海に向かって真っ直ぐに伸びる若宮大路の様子など、他の展望台とはひと味違う絶景を見ることができます。名前の由来は近くの岩に彫られた閻魔大王などの仏像から。「かながわの景勝50選」。
六国見山(ろっこくけんざん)は、鎌倉を取り巻く峰々のもっとも外側に位置するため、展望台からは幾重にも尾根が連なる壮大な眺望が楽しめます。展望台正面にこんもり盛り上がって見えるのが源氏山。やや右手に海に突き出して見えるのが稲村ヶ崎です。
鎌倉を取り巻く山々の尾根道には、いくつかのハイキングコースが整備されています。その中でもっとも距離が短く、手軽に歩けるのが祇園山ハイキングコース。祇園山山頂は、標高わずか60メートル前後ですが、目の前に材木座海岸と由比ヶ浜が広がる、気持ちのいい景色が楽しめます。
海に突き出た稲村ヶ崎は、鎌倉幕府滅亡時の古戦場跡。シルエットになった江の島と富士山。その向こうの西の空に夕日が沈み行く瞬間は、息をのむ美しさ。「かながわの景勝50選」にも選出されています。近くには天然温泉施設「稲村ヶ崎温泉」があります。
「江の島シーキャンドル」の高さ41メートルの展望フロアからは、茅ヶ崎沖にひょっこり頭を出す烏帽子岩や、富士山、丹沢連峰、伊豆大島、伊豆半島など360度の大パノラマを楽しめます。冬にはライトアップイベント「湘南の宝石」が行われ、シーキャンドルも電飾されます。
南を海、北と東西を山に囲まれた「天然の要塞」とも呼べる地形から、源頼朝は鎌倉を本拠地として選びました。しかし、鎌倉が都市として発展すると、周囲の山々は交通の妨げになりました。執権・北条氏は山の尾根を開削し、「鎌倉七口」と呼ばれる切通しを整備しました。七口のうち、朝比奈切通は昔の街道の面影を、比較的よくとどめています。
逗子の法性寺裏手には、「お猿畠の大切岸(おおきりぎし)」と呼ばれる断崖が、約800mにもわたって続いています。最近まで、執権の北条氏が、三浦半島を拠点とする宿敵である三浦氏の侵入に備えて造営した防御施設であると説明されてきました。しかし、発掘調査が進むにつれ、鎌倉石の石切場の遺構であることが判明しました。