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台風15号の影響により、鎌倉のハイキングコースに大きな被害が出ています。
詳しくは、鎌倉市役所が発表している情報をご覧ください。

台風15号の影響に伴うハイキングコースの状況について

六国見山ハイキングコース

鎌倉の最も外側を取巻く尾根にそびえる六国見山(ろっこくけんざん)からの壮大な眺望と、北鎌倉の豊かな自然を楽しむハイキングコースです。六国見山に登った後は、鎌倉湖や陰陽の滝の流れ落ちる今泉不動まで足を伸ばしてみましょう。

六国見山展望台からの眺め

六国見山登山口を目指して

大船駅からスタート

大船駅からスタート

六国見山ハイキングコースのスタートは、大船駅東口の交通広場(バスロータリー)です。上を見上げると、珍しい懸垂式の「湘南モノレール」が、空を飛ぶように駆け抜けていきます。
ここからしばらくは街中を歩きますが、もし、登山口から歩きはじめたいという人は、「高野台」行きのバスに乗って、終点の「高野台」で下車してください。ただし、日中は1時間に1本と本数が少ないので、注意が必要です。

常楽寺へ

常楽寺へ

バス通りを歩いて行くと、左手に三菱電機の広大な敷地が広がっています。その先の大きなマンションの向こうに常楽寺があります。松の木が参道入口の目印になっています。
寺の歴史は、嘉禎3(1237)年、鎌倉幕府の名執権として名高い三代執権・北条泰時が、夫人の母の供養のために御堂を建てたのが始まり。後に建長寺の開山となる蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が住持を務めたこともある名刹です。仏殿の裏には、北条泰時自身の墓があります。

大船の地名の由来

大船の地名の由来

「大船」という地名は、常楽寺の裏山の粟船(あわふね)山に由来するとされます。ちなみに、常楽寺の山号は「粟船山(ぞくせんさん)」です。粟船山には、源頼朝のライバル・源(木曽)義仲の子である義高の墓や、泰時の娘の墓、粟船稲荷がまつられています。

多門院

多門院

常楽寺の参拝を終えたらバス通りに戻り、「常楽寺」交差点を越えて歩を進めます。ちなみにこの付近から正面に見える山が、これから登る六国見山です。
道なりに進み、T字路にぶつかったら左に進んで行くと、右手に多門院というお寺があります。多聞院は、元は観蓮寺というお寺で山ノ内(北鎌倉駅付近)にありましたが、これを戦国時代の玉縄北条氏(小田原北条氏の一族)配下の甘粕氏が現在地に移して名を改め、天正7(1579)年に創建したと伝わります。

高野の切通し

高野の切通し

多門院のすぐ先にトンネルがあり、その左手前に駐車場との間の細道から、トンネルの上の切通しの道に出ることができます。
この見事な切通しは「高野の切通し」と呼ばれています。切通しとは、山の尾根を人工的に掘削した道のこと。この道は大船高校のグラウンド横に通じています。

高野台のバスロータリー

高野台のバスロータリー

大船高校のグラウンドに突き当ったら左手の階段を上って行くと、高野台のバス停(ロータリー)に出ます。
ちなみに、先ほどのT字路で多門院の法へ進まず、このページ下部に掲載した地図のルートで、高野台のバスロータリーに向かうルートもあります。

六国を見渡す眺望

六国見山登山口

六国見山登山口

高野台のバスロータリーで、大船高校の敷地と反対方向に進み、突き当たりを右に行くと、六国見山の登山口(六国見山森林公園北口)があります。
六国見山は、以前は知る人ぞ知るという感じで訪れる人も少ない山でしたが、2007年に「六国見山森林公園」として周辺が整備されたこともあり、最近はハイキングに訪れる人も増えました。

遠くに見える大船観音

遠くに見える大船観音

登山口の階段からは、大船の町並みを一望できます。その向こうには大船観音が見えます。
登山口から少し行くと配水池の施設があり、右方向に六国見山ハイキングコースがのびています。

「六国見山展望台」からの眺望

「六国見山展望台」からの眺望

登山口から登り始め、ものの10分ほど山道を歩くと、「六国見山展望台」付近に到着します。
六国見山は、鎌倉を取りまく峰々の最も外側に位置するため、遠くに見える海の手前に、幾重にも尾根が連なって見えます。相模、武蔵、安房、上総、下総、伊豆の六国を見渡すことができたので、六国見山という名前がつきました。
展望台からの眺めで、右に丸く盛り上がって見えるのが源氏山、源氏山の右から海に突き出して見えるのが稲村ヶ崎です。晴れた日には西に富士山、北側には横浜の「みなとみらい」地区も見えます。

真の六国見山山頂は?

真の六国見山山頂は?

多くの人が、展望台のある場所が六国見山山頂だと認識していると思いますが、この辺りで一番標高が高いのは、展望台から北鎌倉側(「稚児の墓」方面)に約200メートル離れた「三等三角点」のある地点です。ちなみに標高は、展望台の場所が143.84m、三角点の場所が147.3mです。
展望台から北鎌倉側に少し歩くと、「稚児の墓」と呼ばれる石塔があり、そのさらに先の道端に三角点があります。しかし、この場所は、麓の円覚寺の山号にもなっている「瑞鹿山」であり、「六国見山」の山頂は、やはり、現在、展望台のある位置であるとの見解もあるようです。

さらに足を伸ばして

鎌倉湖へ

鎌倉湖へ

三角点を越えて、しばらく山道を歩くと、明月院の奥の明月谷の住宅地に出ます。ちなみに、六国見山には複数の登山ルートがあり、展望台から公園南口(海が見える側)に下りていく道もあります。
さて、明月谷に出て、もし、歩き足りなければ、鎌倉湖(散在ガ池森林公園)までは徒歩15分。公園内には複数の散策コースが整備されています。

今泉不動の陰陽の滝

今泉不動の陰陽の滝

鎌倉湖から、さらに少し足を伸ばせば、境内に陰陽の滝(男滝・女滝)が流れ落ち、不動明王をまつる今泉不動(称名寺)があります。
この寺の不動明王と、陰陽の滝には、次のような伝説があります。
諸国を遍歴していた弘法大師が、紫雲たなびき金色の光に包まれたこの地にやってくると、白髪の男女の仙人が現れた。仙人たちは、大師に不動明王の像を彫るように命じ、大師はすぐに像を彫り上げた。すると、再び仙人が現れ、「この土地は水が少なく、人々が困っている。水が出るように明王に祈りなさい」と告げる。そこで、大師は岩肌に二つの穴を穿(うが)ち、村人とともに三日の間祈ると、穴から水が湧き出し、二本の滝になった。
なお、帰りは鎌倉湖畔循環バスで大船駅に戻ります。

アクセス

モデルコース データ
徒歩区間の距離 約6.5km(大船駅~常楽寺~高野台登山口~六国見山展望台~鎌倉湖(散在ガ池森林公園)~今泉不動
コース所要時間 2時間半~3時間
注意点など
  • 所要時間は、あくまでも目安です。鎌倉は季節によっては大変混雑し、お店や施設に入りにくくなることもあります。
  • ハイキングコースを歩きます。歩きやすい服装、靴でお越しください。