イワタバコ
紫陽花(あじさい)は、同じ北鎌倉の明月院が有名ですが、東慶寺の初夏の境内もなかなかのもの。上記のイワガラミのほか、湿った岩肌に群生し、星型の小さな花をつけるイワタバコなどを見ることができます。
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元寇(モンゴル来襲)を戦い抜いた執権として知られる、北条時宗の夫人・覚山尼が、時宗の死後、弘安8年(1285)に創建。室町時代には、鎌倉尼五山第二位の格式を持つ尼寺で、後醍醐天皇の皇女である五世・用堂尼や豊臣秀頼の娘である二十世・天秀尼など、名門の息女が代々住持を務めました。
東慶寺は、明治時代の初めまで、駆込み寺・縁切寺だった歴史を持ち、女性の側から離婚の請求ができなかった封建時代、今でいうドメスティックバイオレンスに苦しんだ、多くの女性を救いました。今でいうところの「DVシェルター」のような存在。
「縁切寺」の救済を受けるためには、夫から逃がれてきた女性は、寺の境内に逃げ込めば良いわけですが、夜など寺の門が閉まっていたときは、たとえば簪(かんざし)など、身につけている物を寺の境内に投げ込めばセーフだったそうです。
境内の梅林では、2月から3月上旬くらいにかけて、紅白の梅を楽しむことができます。
梅のほか、早春の東慶寺で楽しみなのが、毎年恒例になっている「東慶寺仏像展」。東慶寺所蔵の仏像を境内の『松ヶ岡宝蔵』に一堂に集めて展示するイベントです。
数ある東慶寺の仏像の中でも、特に人気が高いのが「水月観音菩薩半跏像」。普段は水月観音堂に安置されており、事前予約をしないと拝観することができませんが、仏像展の期間中は予約なしで拝観することができ、おすすめです。
近年、梅雨の時期の東慶寺で人気が高いのが、イワガラミの特別公開。普段は立ち入ることのできない本堂裏に、6月前半のイワガラミの特別公開時のみ立ち入ることが許され、順路に沿って本堂裏手にまわると、ヤマアジサイに似た白い花が岩壁一面に咲いているのが見えます。
たくさんの木が生えているように見えますが、よく見ると、1本の木から多くの枝が分かれており、"イワガラミ"の名のとおり、それぞれの枝が岩にからみつくようにのびています。
このイワガラミは約30年前に植えられ、10年ほど前から一般公開を開始。今では公開を心待ちにしている人が多く、公開期間中は本堂前に長蛇の列ができるほどの人気ぶりです。
東慶寺が所蔵する、宝物を展示するのが、「松ヶ岡宝蔵」。仏像などのほか、いわゆる「三行半(みくだりはん)」といわれる離縁状など、「縁切寺」としての歴史にかかわる史料も展示。
夫のもとから逃げてきた女性が、離縁を成立させるためには、一定の期間お寺で修行することが必要だったことなど、「縁切寺」についての様々な知識を得ることができます。
境内入ってすぐの場所に、近年、オープンした「東慶寺 ギャラリー&ショップ」では、茶器を中心に、雑貨などを販売しています。
紫陽花(あじさい)は、同じ北鎌倉の明月院が有名ですが、東慶寺の初夏の境内もなかなかのもの。上記のイワガラミのほか、湿った岩肌に群生し、星型の小さな花をつけるイワタバコなどを見ることができます。
東慶寺は、鎌倉有数の「花の寺」。一年中を通して、様々な花を見ることができます。秋にはコスモスが、境内を彩ります。
住所:鎌倉市山ノ内1367
電話番号:0467-22-1663
拝観料、拝観時間
アクセス:JR「北鎌倉駅」徒歩4分
地図:拝観案内・アクセス
公式ホームページ:松岡山 東慶寺ホームページ