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鎌倉の萩寺めぐりと、奇祭「面掛行列」

つい先日までの暑さが嘘のように、朝夕は秋の訪れを肌で感じる9月中旬。この時期、鎌倉の寺の境内を彩るのが萩の花。今回は、鎌倉の萩の名所をめぐってみたいと思います。

萩の花

(写真:萩の花)

コースは、鎌倉駅西口-海蔵寺-浄光明寺-宝戒寺(萩寺)。そして最後に、毎年、9月18日に奉納される長谷の御霊神社の奇祭、面掛行列(めんかけぎょうれつ)をご紹介します。

海蔵寺の紫色の美しい萩

鎌倉駅西口から寿福寺や、鎌倉で唯一残る尼寺の英勝寺の前を通って海蔵寺に至る道は、路傍に『十六夜日記』の作者・阿仏尼の墓があったり、小さな稲荷がまつられていたりと、一年を通じてとても味わい深い散策路。

私はとくに秋のはじめにこの道を歩くのが好きです。道ばたにススキの穂が揺れていたりすると、ああ、秋だなと思います。

秋の散歩道

(写真:秋の散歩道。鎌倉駅西口から海蔵寺に至る道はとても趣深い。)

道は、しばらく横須賀線の線路に沿って進みますが、英勝寺の少し先のところで、左に入っていきます。この細道をずっと進んだ先、谷戸の一番奥に海蔵寺はあります。

海蔵寺の萩

(写真:海蔵寺の萩)

9月中旬、朝夕の冷たい空気に秋を感じはじめる頃、海蔵寺山門前は美しい赤紫色の萩が、幻想的に咲き乱れます。その様は、あたかも流れ落ちる優美な紫色の滝のようです。この美しい滝を掻き分けるように、参拝客は石段を上り、山門へ向かいます。できれば人の少ない早朝に訪れて、この贅沢な空間を独り占めしてみたいものです。

浄光明寺 鎌倉らしいご本尊・阿弥陀三尊像

海蔵寺からいったん、今来た道を寿福寺の門前まで戻ってきます。寿福寺前の踏切りを渡り、左手の方へ進み、浄光明寺へ向かいます。

境内に入るとすぐ左手に、「楊貴妃観音像」がおまつりされています。この「楊貴妃観音」は、京都の泉涌寺におまつりされている仏様で、浄光明寺の像は、その模刻です。「楊貴妃観音」には、次のような話が伝わっています。

中国唐王朝の時代、玄宗皇帝に愛された楊貴妃。世界三大美女の一人ともいわれる彼女の死を嘆いた玄宗は、仏師に命じて彼女の美貌に似せた一体の観音像を彫らせる。
500年の後、日本から渡った留学僧がこの像を譲り受け日本に持ち帰ったのが京都泉涌寺の像である。

浄光明寺の楊貴妃観音と萩

(写真:浄光明寺の楊貴妃観音と萩)

浄光明寺の楊貴妃観音は、平成16年、泉涌寺の末寺である浄光明寺に寄進されました。本家・泉涌寺の楊貴妃観音は、美人祈願の仏様として信仰を集めているそうです。浄光明寺の像もきっと女性の参拝客が増えることでしょう。

楊貴妃観音のお参りがすみましたら、次は、このお寺のご本尊である阿弥陀三尊像をお参りしましょう。いかにも鎌倉らしい仏様として人気のある仏様です。

庫裏の右手から階段を上りますと、正面に阿弥陀堂がありますが、ある理由があって、本尊は左手の収蔵庫のほうへ移されています。

阿弥陀堂

(写真:阿弥陀堂)

なぜかというと、この阿弥陀三尊像は、仏像の表面に、粘土を型どりしてつくった「土紋(どもん)」を張り付けて衣の様子を表現するという鎌倉独特の技法を用いています。

この土紋は粘土ですから湿度の変化にとても弱く、湿度管理がきちんとできる収蔵庫のほうに移されているのです。木、土、日曜のみが拝観日ですが、上記の理由から雨天の場合は拝観中止となります。

さて、ご本尊をお参りしたら、阿弥陀堂の左手奥からさらに裏山に登っていってみましょう。

途中、山腹に大きなやぐら(横穴)があり、中には、その昔、由比ヶ浜の漁師の網にかかって引き揚げられたという伝説の地蔵「網引地蔵」がまつられています。

さらに登っていくと、歌道の名門、冷泉(れいぜい)家の祖、冷泉為相(ためすけ)の墓があります。

冷泉為相の墓

(写真:冷泉為相の墓)

冷泉為相は、『十六夜日記』の作者・阿仏尼の実子。阿仏尼は冷泉家の遺産を為相に相続させる裁判のため、京から鎌倉へ東下しました。

その道中の日記が『十六夜日記』。ちなみに、阿仏尼の墓と伝わる石塔は、横須賀線の線路をはさんで反対側の道沿いにあります。

鎌倉の萩寺 宝戒寺へ

次は、宝戒寺へ行きましょう。鎌倉で「萩寺」といえば、宝戒寺を指します。

いったん、先ほどの寿福寺前の踏切まで戻り、踏切を渡らずに反対の方向へ進みます。ちょっと歩くと左手に「不動茶屋」というお店の看板が見えてくるかと思います。

ここにはお不動様がまつられていて、「窟堂不動(いわやどうふどう)」とか「岩窟不動(がんくつふどう)」と呼ばれています。そのため、お不動様の前を通るこの道は、「窟堂道(いわやどうみち)」という名前。

道をさらに進むと、左手に「鎌倉市川喜多映画記念館」が見えてきます。この場所にはもともと、ヨーロッパ映画の輸入を通じて国際的に活躍された故・川喜多長政、かしこご夫妻のお住まいがありました。

記念館の先を左折しますと、鶴岡八幡宮の杜(もり)が見えて来ると思いますので、八幡様の門前をそのまままっすぐ歩いて行きましょう。この道の突き当たりにあるのが宝戒寺です。

宝戒寺参道

(写真:宝戒寺参道)

美しい平石の石畳の両脇に、白萩がこぼれんばかりに咲いています。ふだんからこの石畳の道は美しいですが、萩の咲く季節は一層映えて見えます。

宝戒寺境内

(写真:宝戒寺境内。宝戒寺の萩は、ほぼ白一色)

珍しい白い曼珠沙華

(写真:珍しい白い曼珠沙華)

午後は、長谷エリアを歩きますので鎌倉駅まで戻り、江ノ電に乗って長谷に移動して、お昼休憩にしましょう。

ランチ 0467 Hasekamicho

今日のランチはちょっとスタイリッシュなレストランに行ってみようと思います。

写真を見ていただくと分かるように、こちらのお店「0467 Hasekamicho」は築80年以上の古民家を現代風にリノベーションしたもの。内装もとてもシックでモダンな感じがします。

0467 Hase kamicho

(写真:0467 Hase kamicho店内)。

外観は、古民家というよりも、「お洒落なお店」というのが第一印象。

お店の中に入ると、天井や柱などは元の民家のものをそのまま利用していますが、壁や床などは白と黒を基調にリノベーションされ、木のぬくもりと都会的な洗練が調和した、見事な空間が広がっています。

ランチプレート

(写真:ランチプレート)

ランチメニューでは、地元鎌倉の食材をふんだんに使った「ランチプレート」(2,200円)がおすすめ。ディナータイムのメニューは、本格的なイタリアンになります。

初秋の鎌倉の風物詩 面掛行列

毎年、9月18日は長谷の御霊神社(権五郎神社)に伝わる奇祭「面掛行列」奉納の日。

まずは、御霊神社へ向いましょう。御霊神社は長谷寺のちょうど裏手にあります。鎌倉彫の「白日堂」さんのところから路地に入っていくと近道になります。

面掛行列は別名「はらみっと行列」ともいい、かつて頼朝が隠れ里の娘を懐妊させてしまい、その口止めのため、年に一日限り住人に許した無礼講の名残ともいわれ、「おかめ」の面をつけた妊婦など、面をつけた十人衆が町を練り歩く祭りです。

この祭りは神奈川県の無形文化財にも指定されており、鎌倉の秋の訪れを告げる風物詩となっています。

まず、13:00~14:00過ぎまで御霊神社境内で神楽が奉納されます。

湯立神楽(鎌倉神楽)

(写真:湯立神楽(鎌倉神楽))

神楽が舞われる「神楽座」のわきでは大きな釜でお湯を沸かしています。

この神楽は「湯立神楽」といい、沸かしたお湯で、祓いと吉凶を占う湯立の神事を行います。かつては鶴岡八幡宮の神職によって演じられたことから、「鎌倉神楽」ともいわれます。

湯立神楽(鎌倉神楽)

(写真:湯立神楽(鎌倉神楽))

14:30 御霊神社下の住宅地から面掛行列が出発。笛、太鼓などのお囃子、天狗の面をかぶった猿田彦(さるだひこ)、獅子頭(ししがしら)をかつぐ人の後に、面掛行列が続きます。

■面掛行列の写真

面掛行列

面掛行列

面掛行列

面掛行列

面掛行列

面掛行列

行列は、爺(じい)・鬼・異形(いぎょう)・鼻長(はななが)・烏天狗(からすてんぐ)・翁(おきな)・火吹男(ひふきお)・福禄寿(ふくろくじゅ)・おかめ・女の十人衆。

行列の9番目(写真の上から5番目)に続く妊婦は、伝説で頼朝に孕(はら)まされたといわれる娘。大きなお腹をさすりながら通り過ぎていきます。

祭りに使われる面は、仏教布教のために上演された伎楽や舞楽・田楽などに使われる種類の面。ちなみに御霊神社は鎌倉・江の島七福神めぐりの「福禄寿」に指定されており、この祭りで使う面が、七福神の「福禄寿」です(写真の上から4番目)。

面はふだんは御霊神社の収蔵庫に保管されていて、正月の「七福神めぐり」の時期などは収蔵庫の扉を開けて一般公開されます。

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