アジサイの名所が多い鎌倉。梅雨時はアジサイの見物客で混雑し、人気の寺院・神社では長い行列ができる光景も珍しくない。明月院、長谷寺、成就院という鎌倉のアジサイ「おすすめスポット3カ所」を巡るモデルコースを紹介しながら、アジサイの季節の鎌倉を効率よく巡るポイントを解説します。
数多い鎌倉のアジサイの名所の中でも、最も有名で「鎌倉のアジサイ寺」と呼ばれているのが、北鎌倉の「明月院」。明月院へは、JR横須賀線の北鎌倉駅から徒歩10分ほど。
アジサイの時期(6月)、明月院は通常期よりも早い8:30に開門。朝8:30過ぎに到着すると、境内にはすでにかなり多くのアジサイの見物客が。境内がそれほど広くないので、混雑しやすい。鎌倉で何カ所かアジサイの名所を巡るならば、明月院を最初の訪問先に。また、できるだけ開門時間に近い早朝に訪れるべき。
アジサイが両脇に植えられている参道を本堂に向かって歩いて行こう。明月院のアジサイは淡いブルーの小さめな花が多い。これは日本古来の「ヒメアジサイ」という品種で、私たちが見慣れた「西洋アジサイ」よりも、やや小ぶりなのだそうです。
本堂前に到着すると、ここにも行列が。本堂の壁にポッカリと開いている円窓越しに見える本堂後庭園をカメラに収めようとする人たちの行列だ。SNS映えするということを、皆さん、よくご存じなのですね。
円窓の向こうに見える本堂後庭園も拝観可能。6月上旬は、ハナショウブが見頃を迎えており、普段の拝観時間は10:00からですが、梅雨の時期は9:00からスタート。
明月院の境内を30分ほど散策し、次は長谷寺へと向かう。長谷寺は江ノ電の長谷駅から徒歩5分の場所にある。バスは渋滞に巻き込まれるリスクがあるので、いったん北鎌倉駅へ戻り、横須賀線で鎌倉駅へ移動し、江ノ電に乗り換えて長谷に向かいます。
長谷寺の門前へは9:30に到着。拝観券(400円)を購入後境内に入り、本堂(観音堂)のある高台へと石段を上っていく。本堂脇に設置されているテントへ向かう。ここで裏山の斜面に設置された散策路「あじさい路」への入場チケット(500円)を購入します。
購入したチケットには「9:30~10:20」という時間が。この時間の間に入場するようにということ(退場時間は自由)。休日ともなれば大変な混雑になるので、1時間あたりに入場できる人数を制限しているのですね。(「アジサイ路」への入場は、長谷寺のホームページから事前にネット予約することも可能)
長谷寺のアジサイは、山の斜面に色とりどりの花がたくさん咲いています。頂上付近まで上ると、アジサイの花の咲く向こうに海が。このアジサイと海のコラボが、この「アジサイ路」の最大の魅力です。
長谷寺を後に、今日の最後の目的地である成就院へ向かうが、その途中で御霊神社(別名:権五郎神社)という、地元の小さな神社に立ち寄ります。長谷寺を出たら県道を長谷駅方面へ少し戻り、収玄寺というお寺の手前の路地を右手に入り、路地を権五郎神社境内へと進みます。
権五郎神社の鳥居を出るとすぐ目の前に江ノ電の踏切があり、この付近は江ノ電とアジサイを一緒に撮影できるスポットとして知られています。危険がないよう、十分に注意して撮影してください。
撮影を終え、踏切を渡って進むと「力餅家」という、江戸時代から300年以上続く和菓子店が右手に見えてきます。この店の名物は、餅(または求肥)にたっぷりの餡子(あんこ)をまぶした「力餅」というもの。大変な力持ちだったとされる権五郎景政にちなんだネーミング。
「力餅家」の角を右手へ進み、ゆるい坂道を上っていくと、左手に成就院の境内へと続く参道が見えてきます。この参道にアジサイが植えられており、石段を上りきった先からは、アジサイが咲く向こうに弧を描いて広がる由比ヶ浜が見える。まさに絶景!
成就院から江ノ電の極楽寺駅はすぐそこ。極楽寺駅に到着したのは10:30頃。わずか2時間で、ずいぶんたくさんのアジサイを楽しむことができました。混雑状況や好みに応じて、ご自身のスケジュールを組んで、アジサイの季節の鎌倉を楽しんでみてください。
徒歩区間の距離 | 約2.8km(北鎌倉駅~明月院を往復/長谷駅~長谷寺~成就院~極楽寺駅) |
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コース所要時間 | 2~4時間(北鎌倉駅~明月院~北鎌倉駅~鎌倉駅~長谷駅~長谷寺~成就院~極楽寺駅) |
注意点など |
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